リバティ・フィッシュ株式会社

RubyExamination(REx)をリリース

リバティ・フィッシュ株式会社はRuby認定技術者の資格取得を支援するeラーニングサービス、RubyExamination(REx)をリリースした。Ruby技術者認定試験は当財団Rubyアソシエーションが運営するプログラミング言語Rubyの試験で保有者はその試験レベルに応じて一定の知識があることが証明される。試験は2008年にCBTテストが開始され、現在までに多くのRuby学習者が受験している。

リバティ・フィッシュ社はソフトウェアハウスとしてRubyを利用したシステム開発に力を入れており、新人研修などRuby未経験者には社内での研修として講座を提供してきた。

「今まで暗黙知として社内で継承していた教育に関するノウハウを外部に公開することによって皆様に役立ててもらいたい」(代表取締役社長 石丸氏)

リバティ・フィッシュ社ではそのノウハウをRubyエデュケーションという名称で教科書にまとめてオンラインで無料公開している。Rubyユーザーであれば一度は目にしたことがあるかもしれない入門書、たのしいRubyと同じようなレベルで初心者が学ぶべき項目を程よく網羅している。Rubyエデュケーションは紙媒体と違い、紙面節約という制約がない分、コードや説明図などを効果的に利用しており、初心者に優しい印象を持った。

RExのサービス誕生についても同じ背景だ。リバティ・フィッシュ社が教育の1つとしてRuby技術者認定試験を利用しており、試験合格に向けた効率的な学習のコツを社内で共有していたのだが、そのノウハウを試験模擬問題という形にし、さらに無料で公開することで多くのRubyユーザーの育成につながるとの判断をした。

利用には現段階ではGithubのアカウントが必要となる。問題は150問ほどの模擬問題が用意されており、試験本番が50問であることを考えるとおよそ、3周分模擬問題が用意されていることになる。

プログラミング教育に取り組む理由

リバティ・フィッシュ社は上記以外にもSmalrubyを活用した親子プログラミング体験やSmalrubyの作品を公開できるギャラリーのウェブサイトを公開している。プログラミング教育に積極的に取り組む理由はエンジニアからのボトムアップによる要望だそうだ。社内の人に教えることが好きな人たちが集まって会社のリソースを利用しながらRubyの普及に取り組んでいる。

「親子プログラミング体験は長期的な目線で国内のプログラマを増やすことになるきっかけとなればいいなという思いで実施している。親が既にIT業界に従事している場合は、子供にどのような仕事をやってもらっているかを理解してもらえるきっかけにもなっている」 (石丸氏)

(smalruby用のギャラリーサイト。Scratchと同じように作品を公開して、プログラムを共有することができる)

島根県松江市での公教育のケースを先日とりあげたが、リバティ・フィッシュ社でもこれからの公教育分野でのRubyによるプログラミング教育には期待しているという。

「RubyにはSmalrubyや、弊社が加入するRubyビジネス推進協議会が制作に取り組んでいるSenStickのようなIoTに活用できるデバイスがあります。プログラミングの概念から最新のテクノロジーまでRubyで学べることの意義は大きい。関西圏でもRubyによくプログラミング教育が広がることを期待してます」

※本事例に記載の内容は取材日時点(2017年7月)のものであり、現在変更されている可能性があります。