「るりま大刷新計画2022最終報告」 メンター報告書 # プロジェクト概要 本プロジェクトは、日本語のRuby用リファレンスマニュアル(るりま)を記述す るためのシステムであるbitclustが、独自の記法(RDベース)を用いており、 Githubなどでよく利用されているMarkdown形式が利用できないという問題を解決 するために、Markdown形式での記述も許すようbitclustを拡張することを目標し ている。 # 計画の達成状況 まずは、そもそも実現可能か、という調査から始まり、bitclustとMarkdownまわ りの実装の調査、るりまを利用する外部システムの調査、およびMarkdownで現在 のリファレンスマニュアルに掲載されている内容が表現可能か、という調査が行 われ、それがある程度実現可能であることを確認した。 そのうえで、Markdownによるドキュメントの表現方法を定め(*1)、これを実現す るためにbitclustシステムについて改修した。 *1: https://gist.github.com/znz/82f32930408c60bbe14ca9c3d580a972 まだ、多くのドキュメント記述者にMarkdownへの移行を促すほど完成度とはなっ ておらず、メンターが担当可能なドキュメントを試しに書く、という目標は達成 できていないが、細かい積み残した課題を改善することで、今後実際に利用され るシステムとなることが大きく期待できる。また、RBSによる型定義に対応する など、さらなる拡張も期待できる。 # メンターとして果たした役割 ほぼ毎週のオンラインミーティングで進捗を確認し、気になる仕様(主にドキュ メントのMarkdownによる記述性やシステムの全体構成)について議論した。その 際、Grantプロジェクトのマイルストーンについて都度確認した。 # まとめ 本プロジェクトでは、るりまの記述を独自のRDベースの言語ではなく、モダンな Markdownで記述可能にするシステムについて、多くのコンポーネントを実現した。 Markdownでの記述が可能になることで、ドキュメントに対する貢献がやりやすく なり、より一層のドキュメントの品質向上が期待できる。実際に利用できるまで、 まだ少しかかると思うが、ぜひ実現していただきたい。