Rubyコミュニティの「新人賞」Ruby Prize 2017

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平成29年11月1日(水)

まつもとゆきひろRuby Prize実行委員長(以下「まつもと」)簡単に今回の業績について教えていただけますか。
 
Piotr氏 2008年か9年ごろにデータマッパーというプロジェクトに参加したのがきっかけで、そのライブラリー、データベースにすごく興味を持つようになりました。
 2010年あたりからオープンソースへの貢献を始めたのですが、そこから毎年どんどん(貢献度合いが)増えていって、最終的にはデータマッパーの開発コアチームに参加するまでになりました。私が焦点を置いているところとしては、データプロセシング、データベースに関するところがほとんどです。
 私はRubyにとても興味があって、何年も携わっているのですが、私にとってはRubyでプログラミング言語を再発見したとも言えるような経験がありました。Rubyだと、ライブラリーの構造もシンプルですし、オブジェクトもシンプルで、ライブラリーが変わることがないとか、そういったところがすごく気に入っています。
 今言ったような仕事が私の仕事人生の中で大部分を占めるようになりました。私はオーストラリアのIcelabというところで働いていて、そこはウエブアプリケーションをつくっている会社なのですが、ライブラリーのうち80%ぐらいは自分で書いたものもありますし、構築やメンテナンスに貢献したというものもあります。今やっていることというのは日々の業務と、あと私が業務以外にも、仕事が終わった後にやってきたことを組み合わすような形なので、非常に私にとってはエキサイティングな活動になっています。
 
まつもと Ruby on Railsを使い始めたのは、意図的だったのですか?
 
Piotr氏 意図的ではありました。私は今存在しているものに同意するっていうアプローチよりも、何か問題を解決するための方法を模索すると、そういうことを考える人間ですので。自分でここはうまくいかないなと思うことがあったので、よりよい方法というのを探していったところ、それが最終的にRailsを使って問題を解決するということにつながったのです。