Rubyアソシエーション開発助成成果報告会 開催報告

下記のとおりRubyアソシエーション開発助成成果報告会を開催しました。

日時: 2019年9月20日(土) 13:25〜
会場: 品川シーズンテラスカンファレンス シーズンテラスホール
主催: 一般財団法人Rubyアソシエーション

2018年度のRubyアソシエーション開発助成事業では、4件の開発プロジェクトを採択し、Rubyの発展に繋がる有用なソフトウェアが開発されました。今回の報告会では、そのうち3件のプロジェクトについて、開発者の方から成果を発表いただきました。

基調講演:Rubyの進む方向

講演者: まつもとゆきひろ(一般財団法人Rubyアソシエーション)

matz

まつもとさんの基調講演では、Rubyの進む方向性のお話や、Rubyアソシエーション、開発助成事業の紹介がありました。

「できること(コントロールできること==技術)をやる。あとは天命を待つ。」という力強いメッセージが伝えられました。

mrubyの省メモリ化

講演者: 山根ゆりえ・高橋征義

yamanekko

山根さん、高橋さんの講演では、mrubyの省メモリ化の成果について発表されました。

ROMにデータを移すことで、RAMの消費が1/3程度になったとのことです。

今後より多くの領域でmrubyが利用されることが期待されます。

R Markdownクローン「rubydown」の作成と応用

講演者: 西田孝三

nishida

西田さんからは、rubydownの開発成果について発表がありました。

rubydownはドキュメントにプログラムを埋め込んで実行し、実行結果を表示するツールです。 同様のツールとしてJupyter Notebookが有名ですが、rubydownはMarkdownで記述するためテキストエディタで編集でき、コマンドラインツールなので環境構築も容易に行えるとのことでした。

データ分析でRubyを利用する場合にぜひ活用いただければと思います。

Charty.new( “Visualizing your data in Ruby” ) |> Grant |> RubyKaigi |> Latest |> render

講演者: Kazuma Furuhashi

284km

古橋さんからは、データを可視化するためのライブラリであるChartyの開発成果について発表がありました。

Plotting Abstraction Layerで描画処理の抽象化を、Data Abstraction Layerで対象となるデータを抽象化することで、様々なデータを統一的に扱い、指定した描画ライブラリでデータを可視化できるとのことでした。

rubydownと合わせて、Rubyによるデータ分析でぜひご活用ください。