株式会社クラウドワークス

株式会社クラウドワークス

企業とエンジニア、クリエイターをつなぐクラウドソーシングサービスをRubyで実現

21世紀の新しいワークスタイルを提供する

「21世紀の新しいワークスタイルを提供する。」この言葉を掲げて、2012年3月に新規事業をスタートしたのが、株式会社クラウドワークス(以下、クラウドワークス)だ。クラウドワークスが提供するのはクラウドソーシングサービスと呼ばれ、インターネットを通じて企業が不特定多数の“群集”(クラウド)に業務をアウトソーシングしていく新たな雇用形態を提案するサービスである。普及の進むアメリカのサービスの中には、月に200万時間の業務が提供されるものもあり、日本でも今後普及が期待されるサービスである。

クラウドワークスは、エンジニア、クリエイターにフォーカスを当てたサービスを提供する。これは、代表取締役を務める吉田浩一郎氏が長年、IT企業にて開発に携わる中で、エンジニアやクリエイターの仕事をそばで見ていて業務時間や勤務場所の制約からくるストレスがあると感じていた。エンジニアやクエリエーターの作業には個人ごとのペースがあり、就業時間や勤務場所による制約がない環境の中で、自分にあったペースで作業を進める方がよりクリエイティブな仕事ができると感じていた。そこで、エンジニアやクリエイターが自分にあった環境で仕事ができる新たなワークスタイルを提供したいと、クラウドソーシングをメイン事業とするクラウドワークスを起業した。

クラウドソーシングという雇用形態は、エンジニアやクリエイターだけにメリットがあるわけではない。業務を発注する企業にとっても、事業の規模に合わせた流動的な開発体制を組むこともでき、かつ全国から優秀な人材を見出し、集めてくることが可能となる。

このように、個の力を最大限まで活性化することで企業、個人双方が利益を享受でき、その結果、社会の発展と個人に幸せをもたらすとクラウドワークスは考えている。

ニーズに合わせて選択できるサービス方式

クラウドワークスが提供するサービスには固定報酬制と時給制の二つの発注方式を採用している。固定報酬制は「Facebookページを至急作成したい」など期間と予算が決まっている業務を実施するのに適している。もう一方の時給制は、クラウドワークスの大きな特徴であり、実際に稼動した時間に応じて支払われる形態で、断続的なウェブ更新やメンテナンス作業などに適しており、エンジニアやクリエイターが空いた時間を活用して作業することもできる。この時給制は企業にとっても内容に応じて作業切り出し、アウトソーシングすることができるため、人員の雇用に比べ大幅にコストが軽減でき、受注者だけでなく発注者にとってもメリットがあるサービスとなっている。このようなサービスを実現するために、クラウドワークスでは様々な独自の機能を設けている。

発注者、受注者、お互いが安心して利用できる仕組みを提供!

クラウドワークスのサービスでは、仕事の発注、受注、仕事内容の打ち合わせ、支払いなど、ほとんどのことがインターネット上で非対面により進められる。そのため、発注者、受注者が共に安心してサービスを利用できるよう様々なシステムを実装している。例えば、エンジニアやクリエイターが仕事を受注する場合、掲載されている仕事に応募する方法だけでなく、必要に応じて、エンジニアに直接仕事の依頼ができるスカウト機能がある。これにより、発注者は過去に実績があり、信頼のあるエンジニアやクリエイターと仕事を継続的に発注することもできる。時給制では、作業時間内での進捗状況を発注者が分かりやすく確認できるよう、受注者は独自タイムカードシステムをインストールする。作業開始時間、終了時間の記録に加え、1時間でランダムに6枚のスクリーンショットが記録され、発注者が求める作業量が実施できているかを確認できる。発注者、受注者が仕事を終了した時点で、お互いを評価できる機能もあり、時給金額の見直しなど能力に応じた評価を実現できる。このような機能により、非多面だと生じやすい「見えない」部分が見えるようになり、発注者も受注者も安心してサービスを利用することができる。

さらに、これらの機能は実際にサービスを運営していく中で利用者や企業から出るニーズを反映しながら、拡充されていく必要がある。そのため、サービスに必要な基本機能を高品質で提供することはもちろんのこと、前もって将来的に機能を追加、拡充できるシステムを構築する必要があった。これらの要望を実現したのが、Ruby on Railsである。

安定と成長を生み出すRuby on Rails

「Ruby on Railsでの開発により、将来への変化に対応できるシステムの構築ができた」とクラウドワークスCTO野村真一氏は語る。新たなサービスのスタートに向けた開発であるため、少人数で、限られる期間での開発が求められる中、Ruby on Railsの開発生産性の高さは有効であった。また、Ruby on Railsにより規約に従ったプログラミングが行われることで、今後想定されるプログラマの増加に対しても、プログラマの能力などに大きく左右されないコード品質が期待できると野村氏は評価する。さらに、野村氏はRubyに標準で実装されている機能の有用性を評価する。標準のTest::Unitによりテストを自動化することで、サービス開始前に十分にテストを実施でき、高品質なシステム提供に繋がっている。

将来的には、サービスの拡大に伴い、サーバの移設を検討する可能性がある。そこで、デプロイツールであるCapistranoを活用することで、サーバの移設をあらかじめ想定したシステム構築も実現できた。

サービスの成長とともに起こりうる機能の拡充実現するシステム基盤と、新たなエンジニアが加わりうる開発体制の変化への対応を整えることができた。

地域、国を超えたプロジェクトの実現を

クラウドワークスでは、このサービスを通じて登録しているエンジニアがフルタイムの仕事量を得ることを目指している。「首都圏や大都市周辺以外の地域に住むエンジニアやクリエイターにどんどん活用して欲しい」と執行役員佐々木翔平氏は語る。地方に住むエンジニア、クリエイターの中には高い技術や実力を持ちながら、十分な仕事量を持ち得ず余力を残している人も多くいるはずである。そういったエンジニアやクリエイターがサービスを通じて企業と出会い、プロジェクトに参画することで、より高い成果を得る可能性も拡がる。

現在は、β版によるサービス提供をスタートしている。(※2012年3月時点)プレスリリースの発表のみで大規模な広告をしていないにも関わらず、事前登録には、このサービスへの期待を感じさせるエンジニアやクリエイターから1,300以上のエントリーがあった。クラウドワークスでは、今後評価機能の拡充など、サービスの拡張を続けていく。将来は、シリコンバレーを中心としたアメリカやヨーロッパの企業による求人やアジア圏の新興国に在住するエンジニアのエントリーも目指す。

地域、国を超えた企業や技術者が集まり、生み出されたシステムを全世界の人が利用する、そんなプロジェクトがRubyを利用したクラウドワークスのサービスから生まれる日が近づいている。

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