Rubyコミュニティの「新人賞」Ruby Prize 2016
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Rubyprize2016受賞者インタビュー、2016 Prize Winner Interview
  • 山口一生/Kazuki Yamaguchi
  • Chris Seaton
  • Yura sokolov

RubyPrize2016 最終ノミネート、Chris Seaton、Final Nominee Chris Seaton Interview

平成28年11月3日(木)収録

まつもとゆきひろRuby Prize実行委員長(以下「まつもと」) Ruby Prizeの伝統になっているんですが、Prizeの受賞者及び最終ノミネート者に対して、私がインタビューすることになっているんです。プロジェクトの内容や何をやったかなど。これを読んでる読者に向けてクリスさんのプロジェクトについて少し説明していただけませんか?

Chris Seaton氏(以下「Chris氏」) JRubyですとかRubinius、CRubyの更なるスピードをアップを目的としたRuby実装への取り組みです。私たちは、メタプログラミングは遅いから使えないという風に言いたくはないんです。メタプログラミングの様な今まで遅いと言われていたような所を迅速化して、Rubyが持っている価値はそのまま残しながらスピードを上げていく事に取り組みました。

まつもと 受賞したプロジェクト以外で、普段の日常業務ではどのようなことをやっているのですか?

Chris氏 私はOracleのラボで働いていまして。いわゆる研究所なんですけど、そこの小さなチームにいます。そこでは、Rubyの最適化を行っていくという研究をしています。新しいアイデア、例えばアカデミックな研究成果を、コードに導入してみると、どのように動くのかを実際に見てみたりということをやっています。

まつもと OracleラボではフルタイムでRubyに関わっているということですか?

Chris氏 そうですね。私はRubyのフルタイム開発者として仕事をしています。チーム人数だと、大体5人くらいが常時携わっています。これはオラクルではかなり大きな投資で、こういったプロジェクトを開始したのが2013年の初頭ごろですね。

まつもと Oracleに入る前の経歴を教えていただけますか?

Chris氏 実はこのチームに入るまではRubyは使っていませんでした。このプロジェクトにアサインされてから、技術面で色々と学ばせてもらいました。ご質問の経歴についてですが、イギリス陸軍いまいした。その後、マンチェスター大学の博士課程で並列計算の研究をして、それからオラクルということになります。