Rubyコミュニティの「新人賞」Ruby Prize 2017

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まつもと たまたま今回、3人中2人までトレジャーデータっていう、どういうことだろうと考える人もいると思うんですね。よかったら、せっかくなんで、トレジャーデータとRubyとのかかわりみたいな話、簡単にしてもらってもいいですか。
 
国分氏 トレジャーデータはビッグデータプラットフォームっていう、簡単にまとめるとそうなんですけど。データをお客さんのところからfluentdっていうRubyで書かれた、弊社の古橋が開発したソフトウエアからインポートしてくるわけですけど、そのインポートを受けるアプリケーションが今はRailsになってて、それがデータ受けた後に、何だろう、prestoっていうクエリエンジンとかからクエリをするために、スキーマが必要なんですけど、それを生成したりとか、あとはトレジャーデータっていうサービスのユーザーを管理したりとかをやってるのがRailsのアプリケーションでやってまして。そこは基本的にはRubyで書かれています。
 上薗と私がそのRubyで書かれたRailsのアプリケーションをメンテしてるんですけど。あとは、来たジョブとかを、それを処理するためにRubyで書かれたキューに突っ込むということをやってて。RDB上でつくられたキューなんですけど、それをPerfectQueueって呼ばれるものを古橋がつくってまして、それがあと、デキューした先のワーカーも、最初の受けるところはRubyでつくられたりとかしていて、うちは、何だろう、fluentdとRailsアプリケーション周りでRubyを使っているというところが主なかかわりかなと思います。
 
まつもと トレジャーデータは日本人がシリコンバレーで起業して、日本に、今、支社なんだっけ、事業所なんだっけ、そんな感じで持っているっていう、ちょっと特殊な感じがあります。
 でも、Railsを使ってビジネスしてる企業というのは本当にたくさんあるわけじゃないですか。
 その中にあって、上薗さんであったり、国分さんであったりみたいに、(OSSに)コントリビュートする企業というのはそこまで多くはないですよね。トレジャーデータ的にはコントリビュートについてはどういうふうなポリシーとかあるんですかね、好きにしろみたいな感じなんですかね。
 

国分氏 うちは、何というか、オープンソースソフトウエアでビジネスをしている会社でもあるんですよ。
 
まつもと まあ、そうですね。
 
国分氏 fluentd、先ほどはデータをインポートするというところだけしか話さなかったですけど、最近はfluentdエンタープライズというのをやっていて、オープンソースソフトウエアのサポートとか、何だろう、これに困ったら返しますみたいなのとか、プラグインの提供とか、そういうところでもビジネスをやっているので。何ていうか、オープンソースソフトウエアにすごい助けられてる部分が弊社としてあるので、それをちゃんとコミュニティー側にもフィードバックするというのを奨励していて、業務中に困ったことは、皆これをちゃんとオープンソースに、例えば最近だとmrubyとかにもやっているような気がするんですけど、その辺を何か全然、文化的にそれが認められているというか、OSSでビジネスをやってるという意識が全員あるので、積極的にやってる感じだと思います。