Rubyコミュニティの「新人賞」Ruby Prize 2017

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平成29年11月1日(水)
 
まつもとゆきひろRuby Prize実行委員長(以下「まつもと」)というわけで、Ruby Prize受賞おめでとうございます。
 
上薗氏 ありがとうございます。
 
まつもと ありがとうございます。上薗さんは、、、。
 
上薗氏 はい。
 
まつもと 何かどうも上薗さんというのがしっくりきませんね。
 
上薗氏 同僚と皆、kamipoさんって呼びますね。
 
まつもと そうですよね。
普段どんな活動してるかっていうところを、自己紹介も兼ねて、ちょっと最初にお聞きしてもいいですか。
 
上薗氏 そうですね。今回、Prizeにノミネートされたのは、RailsのコンポーネントのActiveRecordっていうO/Rマッパーがあって、それをずっとコントリビュートてるっていう活動でノミネートされたと思ってるんです。それを結構ずっと続けてて、今年になってDHHが私をコミッターのチームに入れてくれて。松田さんに聞いたんですけど、Railsのコミッターになるのに、DHHに会わずにコミッターになった人は見たことないそうで。
 
まつもと 会ったことない。
 
上薗氏 会ったことないですね。
 
 
まつもと ああ、そうなんだ。貴重ですね。
 
上薗氏 会ったことなくても、存在感があるぐらいは結構なアクティビティー量でRailsにコントリビュートしてるっていう活動をしてます。
 
まつもと 何かものすごいペースでものすごい量をコントリビュートしてらっしゃいますよね。
 
上薗氏 そうですね。多分ここ数年とういうような期間だとアクティビティー頻度は私が一番ぐらいですね。
 
まつもと そのモチベーションの源泉ってどこにあるんですか。
 
上薗氏 モチベーションですか。
 
まつもと 1日や2日じゃないわけじゃないですか。ある程度の期間、ものすごい量で貢献してらっしゃるわけですよね。
 
上薗氏 そうですね。元々僕がMySQLの運用をしているという技術的なバックグラウンドがあって。RailsからMySQLを使おうとすると、結構ちゃんと使えないんですよね。Railsにも10年の歴史があるんで、10年前とか、多分みんなMySQLに詳しくなかったから、詳しくないときに書かれたコードでずっと動いてきてたというのがあって。なので、自分で書いたRailsアプリケーションを頑張って手元で運用してた時はワークアラウンドとかで避けまくってたんですけど、いつまでもワークアラウンドで回避してないでちゃんと直そうと思ってパッチを投げ始めたのがきっかけなんです。でも、パッチを投げはじめた時に、結局パッチが取り込まれずに、Railsの新しいバージョンがリリースされちゃったんですよ。それで、結構火がついたというか。
 
まつもと 何くそって。
 
上薗氏 そう、何くそって。一応、僕は自分が一番困ってるところからパッチを投げたんです。直そうと思ったら無限に直すところあるのに、こんな明らかにみんなが困っている問題すら、レビューを通せる人がいないっていうことにかなりの衝撃を受けて。それで、自分が直そうとしているパッチを無視されないためにも、ずっとパッチを投げアクティビティーを切らさないっていうことでプレッシャーを与えようとして。
 
まつもと 物量による存在感という。
 
上薗氏 そう、物量によって自分の存在感が常にそこにある状態にするために、ずっとパッチを投げ続けるというのをやり始めたのがきっかけなんです。
 それで、最初は切らしちゃいけないっていうのを自分の中に課してたからやってたんですけど、何年もやってると、色んなコードのバッググラウンドとか、何でこう動いてるのか、ここにこう書かれているからその発露としてこう動いているっていうようなメカニズムが分かってくると、最初は直すのが難しいなって思ってたバグとかイシューとかも、今なら直せるっていう風にスキルが上がるのが実感できて、続けていくうちに面白くなっていって。それでずっとやってるっていうところがありますね。

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